新型コロナウイルスと忘年会、3回目のワクチン接種

日本では2021年12月中旬現在、新型コロナウイルスの新規感染者が100名から200名の間で推移しており、現在感染が落ち着いた状態です。一方、外国では感染は再拡大しています。

たとえばイギリスでは、1日の新規感染者数が7万人を越えたと報道されています。イギリスでは、2021年7月の新型コロナウイルスの感染対策を撤廃していた経緯があります。テレビの報道をみても、屋外ではマスクを着用している人は少数のように思います。お隣の韓国でも新型コロナウイルスの感染再拡大が報じられています。ワクチン接種率は韓国も日本と同様に高いのですが、ワクチン接種した後におこるブレークスルー感染が多いそうです。

最近の話題といえば、変異株のオミクロン株の事で、非常に感染力は強く、デルタ株の4倍感染力が強いとの報告があります。香港では、ホテルに隔離した患者さんから向いの部屋の人に感染したことから、空気感染するのではと恐れられています。南アフリカは感染者が最も多く、次いでイギリスをはじめとするヨーロッパでもオミクロン株の感染拡大が続いています。またアメリカ全土では、新型コロナウイルスの感染の内、オミクロン株の感染は2.9%と推定されていますが、ニューヨーク州に限っては13.1%とかなり高くなっています。

当院では、院内の忘年会を毎年12月に開催していますが、昨年、今年と忘年会は開けていません。今年も、12月17日に院内で数カ所に別れて通常は忘年会に併設して行う抽選会のみを行いました。あるインターネット調査によりますと、20代~60代の男女575人を対象とした調査では、今年勤務先で忘年会を実施すると答えたパーセントは12.9%にとどまったものの、2020年の7.7%よりも幾分上昇しています。これより以前のコロナ前の2019年の開催は65.5%だったので、現在、忘年会の開催は5分の1程度になっています。

現在感染が落ち着いている状況なので、少人数では忘年会を今のうちにしておこうというようにも見受けられます。今後オミクロン株による感染拡大が進むと旅行に行けなくなるので、今のうちに行っておこうという動きもあるようです。

オミクロン株に対する対策としては、ワクチンの3回目の接種(ブースター接種)を、アメリカ国立アレルギー感染症研究所のファウチ博士は推奨しています。

私たちは医療機関に勤務しているため、一般の方々よりも少し早く、4月の末と5月の初めに新型コロナウイルスに対するワクチン接種を受けています。ブースター接種の開始時期は2回目の接種の8ヶ月以降とされています。従って、2021年5月の初めに2回目を受けたとすると、2022年1月初めに受けることになります。12月17日現在当院で、3回目のワクチン接種券が届いた人は約50名中わずか2名でした。3回目のワクチン接種券には、1回目2回目の受けたことを示すシールのコピーが貼ってあります。従って、ワクチン接種歴は国がしっかり管理していることになります。当院では、職員の分も含めて3回目の接種をできるだけ当院で受けていただけるように、大阪市と交渉をしているところです。

3回目のブースター接種もうまくいき、新型コロナウイルスの感染が沈静化し、コロナ感染前の日常生活ができるだけ早く戻ることを強く願っています。

大阪ブレストクリニック 院長 芝 英一 【認定資格】 大阪大学医学博士 日本外科学会認定医、専門医、指導医 日本乳癌学会専門医・指導医 NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構認定読影医 日本内分泌・甲状腺外科専門医